むちうちと他覚的所見

他覚的所見のないむちうちがほとんど

交通事故のよるケガで一番多いのは首に損傷を受けるむちうち(むち打ち)の症状です。
ひどい事故で骨折、ヒビなどはいれば別ですが、ほとんどのむちうちに他覚的所見はありません。

むちうちは軟部組織(筋肉や腱)、骨格の問題がその不調の主たる原因ですので、レントゲン、MRIなどで異常が見つからないのが普通です。
むちうちで苦しんでいる患者さんは必ずと言っていいほど、肩〜首のはり感、こり感、不快感を訴えます。事故の衝撃で前後左右に揺さぶれ、伸びた筋肉や腱は、その後、筋肉本来の柔軟性を失い、硬くちじんだ状態になります。
しかし、その硬くちじんだ状態は検査ではわからないのです。

肩こりがひどく病院に行ったとしましょう。肩こりでレントゲンを撮ることはまずないでしょうが、仮に撮ってもらったとしてもなにも異常は写りません。筋肉などの軟部組織はレントゲンなので異常が確認できません。

これと同じようにむちうちも検査をしても異常は見つからない、レントゲン、MRIなどではわかないのです。これだけは触らないとわからない、それも触りなれた熟練した人でないとここがおかしいという感覚はわかりません。

なかにはつらい後遺症に苦しみ、仕事を続けられなくなった、日常生活に大きな支障があるにもかかわらず、治療を打ち切られた、後遺障害も認められないなどの二重の被害に苦しまれる方も少なくありません。

当院では極力、むちうちの後遺症を残さないよう、むううちで一番の問題となる筋肉、腱、関節、骨格の歪みの治療を専門的に行っている筋・骨格系の専門治療院です。

むちうちの治療は、事故後3ヶ月が勝負だと考えています。この間に徹底的に治療することが大切です。

むちうちの多くは他覚的所見がありません

医学的に証明できないからもめる

レントゲン、MRIなどで異常がわからない、本人しかつらさがわからないのがむちうちです。

これが、治療が長引いてくると保険会社から治療の打ち切りなど言われもめる原因の最大の原因です。

本人はつらい、でも他覚的所見はないから医学的には証明できない、本人が保険金欲しさに嘘を言っているのではないと疑われたりもします。なかには詐病で保険金欲しさにやっている当たりやのような人もいるでしょうから話をややこしくします。

現状回復を目標にしましょう

むちうちはレントゲンやMRIでは見えない筋肉や腱などの軟部組織、頚椎のほんのわずかな歪みなど画像所見では見えない部分に不調、痛みの原因があることがほとんどです。要するに本人がいくら不調を訴えても医学的には証明できないのです。

半年ぐらい過ぎると、いくら症状が残っていると言っても、保険会社は一方的に治療打ち切りを迫ってくるでしょう。不調の原因も医学的に証明できないのですから、他覚的所見のないむちうちで後遺障害の認定を受けるのはなかなか困難です。弁護士費用や時間もかかります。

患者さんの望みは慰謝料を多く貰うことや後遺障害の認定を得ることではなく、もとの体に戻して欲しいというのが共通する願いだと思います。

そのためには事故直後から適切な治療を受けること、半年ぐらいは治療にきちんと通えるよう仕事などのスケジュールを調整し、まめに通院できる体制を整えること、現在受けている治療に疑問、不満があれば、早めに転医することなど被害者自身が治すことに積極的になる必要があります。

ひとつしかない大事な体です。のちのちに後悔しないために、積極的に行動することが大切です。

現状回復こそが患者さんの願い